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柿右衛門色絵鶉文双耳扁壷

江戸時代・17世紀末

径 14.5cm 高 25.2cm

売約済み

アジア西域より金属製の扁壷が中国へと伝わり、磁器にて表現された明時代初期の焼物が柿右衛門様式にて忠実に再現された非常に珍しい逸品である。扁壷の表と裏側に、黒の輪郭線を用いて描いた粟と鶉の動きある構図は、柿右衛門様式を代表する意匠の一つである。瓢形の首には四弁の七宝文、上部には柿右衛門らしい朱赤を用いて菊花が描かれている。高台内には黒の絵具が塗り埋められているが、焼成時の窯キズを補強するための工夫である。黒色の色落ちを防ぐ意味で上から緑の色絵を塗っている事も、柿右衛門様式の約束事の一つ。西アジアの影響を受け作られたこの扁壷は、文化の流入や歴史を知る上でも貴重な作品であり、柿右衛門のみならず肥前有田磁器の中でも類例の少ない稀品である。