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鍋島青磁染付柘榴文七寸皿

江戸時代・17世紀末〜18世紀初

径 20.5cm 高 5.5cm

売約済み

鍋島青磁染付七寸皿の中でもこの作品は、盛期鍋島の魅力を遺憾なく表現した作品であるといえる。圏線により区画された帯状の中に、墨弾き技法を用いて描かれた青海波文が映える。豊穣や子孫繁栄の象徴である折枝柘榴文を絶妙な配置に描き、点描やぼかしの技術を巧みに使うことで、柘榴の丸みが立体的に表現されている。また鍔縁に施した青磁釉により、器全体が引き締まり、器面の文様が際立つ。裏面には、一度輪郭線を描いた中を丁寧に塗り埋めた、六つ玉七宝文を三方に配し、高台には櫛歯文を描いている。高台脇には、金具を添えたであろう固定する為の穴が空いているが、一度海外に渡って奇跡的に状態良く日本へ里帰りした作品であると思われる。青磁や染付の発色、器形や意匠など、どれを観ても盛期鍋島の優品であるといえる。

「鍋島」藩窯から現代まで 神奈川県立博物館 1987年 出展作品
「鍋島展」世界・炎の博覧会 1996年 出展作品
「鍋島」細見美術館 2014年 出展作品