江戸時代・17世紀末
径 21.4cm 高 8.8cm
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元禄文化の栄華を象徴するかのような古伊万里金襴手様式の風格ある鉢。見込に描かれた欄干文は、余白を生かし巧みに描かれている。金襴手特有の赤玉文を大きく四つ描くことにより、意匠全体に力強さを与えている。側面に施された鮮やかな発色の瑠璃地は、格調高く見事な出来栄えである。古伊万里の中でも、金彩を使わず瑠璃釉だけで仕上げた作品は、他に類例が少なく、金襴手様式特有の華やかさと上品さを併せ持つ優品である。高台内に二重圏線が施され、その中に「大明萬暦年製」銘が記されている。
「日本の陶磁 古伊万里」中央公論社著 №132 所載 梅沢記念館 旧蔵
江戸時代・18世紀初
径 25.3cm 高 12.5cm
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絢爛豪華な金襴手の鉢の中でも、美術館に所蔵される有名な作品の一つ。見込には、瑞獣である麒麟を描き、側面には人物や唐花文、それらの背景を幾何学文様で埋め尽くした元禄期の栄華を象徴する様な出来映えである。唐人物や、窓の唐花文様が内と外でそれぞれ同じ位置に配された「打抜き」といわれる手法が用いられている。細部に至るまで緻密に施された絵付や、ふっくらとした豊かな造形美が、魅力的な逸品。高台の圏線内に、赤絵と金彩にて柘榴の切枝文が描かれている。
江戸時代・18世紀初
径22cm 高10.2cm
売約済み
古伊万里金襴手らしい縁が端反りした朝顔形の深鉢。見込には染付と色絵を用いて牡丹文を華やかに描き、緑地と赤地の窓絵に唐花文を大胆に配す。見込全体の余白を染付で埋めることにより、重厚感のある趣を与えているが、一部に白磁を残すことで、文様が引き立ち美しい。元禄時代の優美な作風が余すところなく表現されたこの器は、きらびやかな色彩、大輪の花が開いたかのような意匠や造形等、絢爛豪華な金襴手鉢である。高台内には「富貴長春」銘があり、目跡が一つ残されている。
江戸時代・17世紀
径20.5cm 高36cm
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頸から肩にかけて剣先文、ふっくらとした胴には迫力ある描写で菖蒲文を配し、濃紺の美しい釉調が白い素地に映える見事な優品。細い線で文様の輪郭をとり、枠の中を塗りむら無くはみ出さないよう丁寧に描いている。菖蒲の花をシンメトリーに配した斬新な意匠は、独特の趣があり実に秀逸である。なだらかな曲線美をそなえた器形、力強い絵文様がともに調和した端正な作ぶりの魅力的な大瓶である。
「世界の染付展」1993年 九州陶磁文化館 87頁145番 所載
江戸時代・17世紀末
径13㎝ 高6㎝
売約済み
元禄期に最盛期を迎えた古伊万里金襴手の技術の高さを随所に見て取れる名品である。見込み全体に描き込まれた小紋の線の細さ、正確さは超絶技巧の極みである。四方に描かれた赤玉や中央に配する麒麟も吉祥を表す文様として用いられた。外側の深みある瑠璃釉全体に金彩で宝相華を巡らせているのも美しい。高台内に楷書にて「奇玉宝鼎之珍」の銘が書かれているが、この銘の通り優品であり宝である。